助成要領
【締め切りました。選考結果は左の「過去の助成対象者」にて公開しています。】
第28回うま味研究助成 募集要項
うま味研究会は、基本味である“うま味”の科学的研究に対して助成を行っており、特に若手研究者の支援をしたいと考えております。
【募集研究分野】下記の4分野で募集いたします。ご応募の際には、いずれかをお選びください。
- うま味に関する基礎研究(生理学、分子生物学、神経科学など)
- うま味に関する応用研究(栄養学、食品科学など)
- テーマ特定助成1:「うま味物質の減塩への貢献の本質に関する科学的研究」
うま味物質の減塩への貢献については、これまで複数の官能評価研究が実施され、うま味物質が減塩食の嗜好性を高める事が報告されており、世間や栄養士、研究者の皆様の注目を集めています。
このうま味物質の効果を客観的に説明するため、官能評価のみに頼らない新たな切り口のエビデンスが求められております。
研究の視点、方法が独創的なものであり、その成果が「減塩におけるうま味物質の役割」という課題に対し新しい科学的知見を加えることが期待できる研究に対し、助成を行いたいと考えています。
【減塩におけるうま味物質の役割に関する学術情報】はこちらをクリック
- テーマ特定助成 2:「ヒトの母乳には他の動物より遊離グルタミン酸が多く含まれることの意義の解明に寄与する研究」
ヒトの母乳は他の動物より遊離グルタミン酸濃度が高く、乳児はうま味を認知していると考えられ、母乳中遊離グルタミン酸が乳児の摂食調節、認知機能発達や免疫に関与していることが示唆されています。
また、ヒト母乳中の遊離グルタミン酸濃度は血中濃度に比べはるかに高く、乳腺で生成されると考えられますが、その生成機構や生理的な意義については分かっていません。さらに、ヒトのうま味受容体は他の動物と異なりグルタミン酸に特異性が高いことが知られています。
従って、以下の事柄が未解明の課題として挙げられます。
①ヒト母乳中の遊離グルタミン酸濃度はなぜ高いのか?その生成機構は?乳児にとってどのような生理的意義を有するのか?
②ヒト母乳中のグルタミン酸濃度が高いこととヒトうま味受容体がグルタミン酸に特異的であることは、関連性があるのか?あるとすればどのような関連性か?
③どのようなメカニズムでうま味受容体のグルタミン酸特異性が高くなったのか、また、その分子進化的意義は何か?
【ヒト母乳にグルタミン酸が多く含まれることについての学術情報】はこちらをクリック
【助成の対象研究】下記2つの条件を備えた研究が本助成の対象となります。
- 研究テーマが、基本味である“うま味”または“うま味物質(うま味候補物質、うま味増強物質)”に関するもの。
- 研究の視点、方法が独創的なものであり、その成果が「うま味の特性」、「おいしさや健康におけるうま味または、うま味物質の役割」、「うま味物質が引き出す生体調節機能」 という課題に対し新しい科学的知見を加え、食に関する学際的研究の発展に貢献することが期待できるもの。
【研究期間】2022年1月1日から2年間
【採択件数と助成額】
採択件数: 合計5件程度を予定しております。
助成額: 一件あたり総額100万円程度を基準としますが、最終的には研究の具体的内容、
規模等に応じて決定します。
【応募資格】
本国内の大学・大学院大学あるいはそれと同等の研究機関に所属する研究者。
学部生・大学院生の場合は、事前に指導教員と事務局にご相談いただき、指導教員名も併記の上
ご応募ください。
【応募方法】
- 申込:指定の申請書に必要事項を記入の上、うま味研究会事務局にメールにて送付してください。
申請書は合計4枚以内とします。
業績は代表的なもの、原著論文は第一著者、テーマに関連するものを優先して記載してください。
論文数が多い場合は第一著者、共著、著書などの数を記載するなどしてください。
- 申請書:こちらをダウンロードしてご利用下さい → 第28回うま味研究会助成申請書
- 締め切り:2021年11月17日(水)必着
- 選考方法、選考結果の報告:うま味研究会の学識経験者による選考委員会で厳正に審査し決定します。
選考結果は各応募者に直接通知します。(2021年12月上旬を予定)
【報告】
研究助成開始1年後に成果発表会(非公開)にて経過報告、また研究期間終了後は成果発表会で
最終報告をしていただきます。
報告書をうま味研究会事務局に提出。最終報告の要旨は、発表会終了後に弊会HPに掲載させて
いただきます。予めご了承ください。
【出版】
研究が完了した時点で学術誌に投稿していただきます。
出版の際は、謝辞に「うま味研究会 (Society for Research on Umami Taste)」の名称を入れてください。