第31回募集要項(募集期間2024年7月~10月31日)
うま味研究会では、基本味である“うま味”の科学的研究に対して助成を行っており、特に若手研究者の支援をしたいと考えております。
1. うま味に関する基礎研究 :
うま味の感知や受容機構の解明等を対象とした研究。生理学、分子生物学、神経科学など。
2. うま味に関する応用研究1(生体機能) :
うま味物質の摂取が生体にもたらす効果や機能等を対象とした研究。栄養学、食品機能学など。
3. うま味に関する応用研究2(食品科学):
うま味物質の食品中での挙動あるいは役割等を対象とした研究。食品科学、食品工学など。
※特に、ヒトの母乳に遊離グルタミン酸が多く含まれることの意義の解明等に寄与する研究、グルタミン酸の消化促進や満腹感への寄与に関する研究、「減塩におけるうま味物質の役割」という課題に対して新しい科学的知見を加えることが期待できる研究を募集いたします。
【ヒト母乳に遊離グルタミン酸が多く含まれることに関する研究】ヒト母乳は他の動物より遊離グルタミン酸濃度が高く、乳児はうま味を認知していると考えられている。また、ヒト母乳中の遊離グルタミン酸濃度は血中濃度に比べはるかに高く、乳腺で生成されると考えられている。さらに、ヒトのうま味受容体は他の動物と異なり、グルタミン酸に特異性が高いことが知られている。これらのことから、ヒト乳児の摂食調節、認知機能発達や免疫に遊離グルタミン酸が何らかの意義を有する可能性が考えられ、また、ヒト母乳中のグルタミン酸濃度が高いこととうま味受容体の分子進化との関連性が示唆されるが、未解明の課題が残る。
【減塩におけるうま味物質の役割に関する研究】ナトリウムの摂取量の削減は世界的な健康上の大きな課題である。しかし、塩味は食品の美味しさに関わる重要な基本味であるため、美味しい減塩食品を開発することは困難である。様々な地域で実施された研究から得られた広範なエビデンスによって、様々な異なる文化的伝統に属する様々な種類の食品にグルタミン酸塩を添加することにより、好ましさを損なうことなく相当なナトリウム摂取の削減が可能であることが示されている。一方、これらの研究は官能評価に頼ったものが殆どで、このうま味物質の効果を客観的に説明するため、官能評価のみに頼らない新たな切り口のエビデンスが求められている。
2025年1月1日から2年間。
※当研究会のうま味研究助成金は、研究テーマに基づいた研究遂行に必要な費用と限定しており、大学や所属研究機関へ支払うオーバーヘッドに充当することは想定しておりません。あらかじめご了承ください。
※うま味研究会助成期間中の研究者は、資格対象外とさせていただきます。
こちらをダウンロードしてご利用下さい → 第31回研究助成申請書
うま味研究会の学識経験者による選考委員会で厳正に審査し決定します。
選考結果は各応募者に直接通知します。(12月中旬予定)